General info Performance Memory Features Benchmarks. Small semiconductors provide better performance and reduced power consumption. MMX is used to speed up tasks such as adjusting the contrast of an image or adjusting volume. M.2規格のSSDにつ... デスクトップパソコンやノートパソコン、超小型ベアボーンのような省スペースPCでも搭載できるM.2規格タイプのSSDを選んで買った際にサーベイした結果を掲載しています。 It is easier to obtain better performance when using virtualization if it is hardware-assisted. Similarly, AMD wins when we look for a cooling solution that incorporates both into the factory, since Wraith Spire heatsink. AMD Ryzen 3600X Intel Core i5-9400F; Lithograph: 7 nm: 14 nm: The organs of the body: 6: 6: Threads for processing: 12: 6: Frequency of base: 3.8 GHz: 2.9 GHz: Turbo Frequency: 4.4 GHz: 4.1 GHz: TDP: 95 W: 65 W: High temperatures: 95ºC: 100ºC: Hot Solution: AMD Wraith Spire: Intel stock: Cache (L1 + L2 + L3) 384 KB + … 私も当初はRyzen発売を好意的に受けとめていましたが、非ゲーマーにとってはあまりメリットの見いだせないCPUだという印象です。海外でも”gaming cpu”として認識されています。, 2017年に発売された第1世代Ryzen(Summit Ridge)プロセッサについてはこちらで評価しています。, 2018年に発売された第2世代Ryzen(Pinnacle Ridge)プロセッサについてはこちらで評価しています。, 同じく2018年に発売された第2世代Ryzen GシリーズRaven Ridge APUについてはこちらで評価しています。, 2019年に発売された第3世代Ryzen(Matisse)プロセッサについてはこちらで評価しています。また、第3世代Ryzenプロセッサについては本記事でもベンチマーク評価していきます。, 私は今後バックアップ用の副系パソコンを自作する予定で、既にケース・ファンレス電源とRyzenにも対応したCPUクーラーも購入して残りはマザボCPUメモリを買うだけなのですが、Ryzenが良かったらそれを選択するでしょうが残念ながら今の情勢だとIntel Coreを購入することになりそうです。, まず本稿の構成としては、最初に「RyzenとIntel Coreの評価手法」を説明します。続いて「AMD Ryzenが登場した際のCPU業界の背景」を記載し、次に「ベンチマーク評価」に移ります。その結果を受けた「Conclusion(結び、結論)」をまとめ、そして「AMD Ryzenの今後の展望」を記載し、最後に「参考文献」を掲載しています。, 2017年に発売された第1世代Ryzen(Summit Ridge)プロセッサとIntel Coreプロセッサとの比較は、同じ2017年に発売された第8世代Intel Core(Coffee Lake)プロセッサを対象に行います。, 2018年に発売された第2世代Ryzen(Pinnacle Ridge)プロセッサとIntel Coreプロセッサとの比較は、同じ2018年に発売された第9世代Intel Core(Coffee Lake Refresh)プロセッサを対象に行います。, 2019年5月には第3世代Ryzen(Matisse)プロセッサとIntel Coreプロセッサとの比較は、2018年~2019年において発売された第9世代Intel Core(Coffee Lake Refresh)プロセッサを対象に行います。プロセッサは後から発売されたモデルのほうが前提条件が有利であり、2018年の第9世代Intel Coreのほうが先に発売されたため、後の2019年に発売された第3世代Ryzenにとって前提条件が不利になることは無いためです。逆に言えば、先(2018年)に発売された第9世代Intel Coreと、後(2019年)に発売された第3世代Ryzenとの比較で第3世代Ryzenが負けてしまった場合、後に発売されて本来は勝てるはずのプロセッサが負けたことを意味するため、第9世代Intel Coreと比較して第3世代Ryzenが極めて劣っていることを意味します。, また、Intel Coreプロセッサには内蔵グラフィクス(iGPU:integrated GPU)が搭載されており、内蔵グラフィクス非搭載のRyzenとの比較では、内蔵グラフィクスを搭載している分だけ汎用コアに割り当てることのできるチップ面積が減少することになりIntel Core側にハンデがあることになります。しかしこれはRyzen側に下駄を履かせる効果があるため、企業規模(総資産額、純資産額、設備投資額)で劣るAMDのRyzenプロセッサを不利にしすぎないための配慮になります。, そしてカタログスペックではなく実効性能で性能の優劣を比較します。価格においては定価ではなく実勢価格が重視されるのと同じで、車においてカタログ燃費よりも実燃費が重視されるのと同じです。CPUを購入したユーザが実際使ってみて性能がどの程度でるのかが最も重要だからです。, ベンチマークにおいては並列化できないシングルスレッドの性能を重視するものや、スレッドレベル並列性が高いマルチスレッド性能を重視するものもあり様々です。シングルスレッドの性能を重視するベンチマークを使うとIntel Coreが有利になってしまいますし、マルチスレッド重視のベンチマークだとAMD Ryzenが有利になります。, そこで今回掲載しているベンチマークはスレッドレベル並列性が無いシングルスレッドの性能、多数のスレッドを各コアに割当てたマルチスレッドの性能をそれぞれ測定し、それら性能向上率の相乗平均を取ったものを掲載しています。性能向上率というのは比率なので相加平均(いわゆる普通の平均)では適切ではないため、相乗平均を使うのがコンピュータアーキテクチャ分野で一般的だからです。, AMD Ryzenは2016年にZenアーキテクチャの発表があったのが初出でした(発売は2017年)。その2016年の発表当初から8コアになることが発表されており、当時4コア止まりだったIntel Coreの4コアの2倍であることが大きく注目されていました。, これを受けて海外のPC系メディアでは「ゲーム用CPUの完成形が現れた」と大歓迎していました。実は2016年以前に主流だったゲームでは1コアあたりの性能の高さは不要で、とにかくコア数が多くスレッドレベル並列処理性能が高いほうがゲーム用途では有利でした。これまで登場してきたコンシューマゲーム機も1コアの性能を追求しておらず動作クロックの低いコアを大量に採用したものです。, そのためZenアーキテクチャを製品化したRyzenは”gaming cpu”として持て囃されていました。Ryzenは2017年3月2日に発売された第1世代のRyzen 7の時点で8コアを実現しており、実に当時のIntel Core i7(4コア)の2倍のコア数を実現していたからです。, しかし、Ryzen発売から間もない2017年3月24日にPUBGというゲームが登場します(まだこの頃はアーリーアクセス、ベータ版)。, 当初多くの人は「何このゲーム?」といった扱いをしていたのですが、2017年夏頃には爆発的にヒットしてしまい、まだPUBGが正式版でないにも関わらずTwitchやYoutubeの配信や実況でPUBGが主流となり、BTO PCショップも「PUBGに最適」を謳ったPCをメインに据えてしまうほどの需要の大きさでした。「ゲーミングPCといったらPUBG用途前提」と言わんばかりの勢いであり、それまで低調だったBTO PC業界も活況になりました。PUBG流行による大きな貢献は、一般家庭にもPCゲーム向けのハイスペックPCを普及させたことです。, さらにPC業界にとって幸いだったのはPUBGが非常に負荷の重いゲームだったことです。未だに人気で息の長いゲームとしてLoLがありますが、LoLはPCのスペックが低くてもいいので高性能CPUや高性能GPUは不要でした。そのため高価なIntel Coreや高価なNVIDIA GeForceよりも、安価なAMD RyzenやAMD Radeonでも十分だったわけです。一方でPUBGは非常に高負荷でハイスペックゲーミングPCが必要だったため、高性能で高額なBTO PCが注目されこれがPC業界の活況に繋がりました。, そしてGPUのみならずPUBGでは「1コアあたりの性能が高いCPUでないとフレームレートが下がる」ことが明らかとなったためIntel Coreがプロゲーマーやストリーマーから積極採用されることになってしまいました。実際にTwitchで常に上位表示される日本国内の著名ストリーマーも2017年当時からIntel Coreを使用しています。, PUBGでは各オブジェクトの同期処理をたった1つのスレッドで実行しています。つまりオブジェクトの数が増える(狭い範囲に敵・味方が集まる)と同期をとるべきオブジェクトが急増し、重い処理が1コアに集中してしまうため「1コアあたりの性能が低いCPU」だと大きくフレームレートが下がる要因になります。, そのため1コアあたりの性能が低いRyzenはフレームレートが伸びずPUBGゲーマーから見向きされなくなり、本来覇権を握るはずだったゲーム用CPUからはじき出されることになってしまいました。, 実はPUBGを始めとしたバトロワ系FPSゲームが例外なだけで、本来ゲームは1コアあたりの性能が低くてもより多くのコアがあったほうが有利なのは前述した通りです。, なのでPUBGのような例外的な闖入者が2017年に現れなければゲーマーからRyzenが大量採用されるのは普通にあり得ることでした。それがたまたま初代Ryzen発売月の2017年3月にPUBGがリリースされ大流行してしまい、その後ApexLegendsのような派生系ゲームが大量に登場してきてしまってプロの間でもストリーマーの間でもPUBGのようなFPSゲームが大会でも配信でも主流となってしまったのは本当にタイミングが悪く、Ryzenにとっては巡り合わせの悪い不幸だったとしか言いようがありません。, 以上解説したゲーム用途におけるAMD Ryzenプロセッサの不遇な巡り合わせはその後も続きます。それは2020年に発生しました。, IntelとAMDの2020年1~3月期決算は対照的でした。2020年の1~3月期には世界各国でテレワーク特需が発生し、企業が従業員に配るモバイル端末向けのモバイルプロセッサと、企業が有するシンクライアントシステムを運用するサーバー向けプロセッサの売上が大きく伸び、Intelは1~3月期において創業以来最大の売上高と純利益を叩き出しました。これは市場の事前予想を上回っており、決算発表後にIntelの株価が急伸しました。Intelの売上のうち50%をサーバー向けプロセッサが占めています。モバイル向けプロセッサもIntelの独壇場です。これらのプロセッサ販売数が大幅に伸びたことがIntelの過去最高益に結びつきました。, 一方で、AMDの決算は市場の予測を下回り、AMD決算発表後から株が売られAMD株価が暴落する結果となってしまい、Intelとは対照的な決算発表でした。, その原因は、AMD Ryzenはモバイルやサーバー向けプロセッサで弱いためです。AMDは2017年にリリースしたRyzenプロセッサ以降、ターゲットをデスクトップ向けプロセッサに絞りました。, AMDは純資産(自己資本)が6,000億円しかありません。一方でIntelは7兆6000億円です。売上高でみてもAMDは2019年12月期で7,000億円しかなく、一方でIntelの2019年12月期は7兆5,000億円です。, そこで、AMDは経営資源をデスクトップ向けプロセッサに集中的に振り分けました。モバイル向けやサーバー向けでは絶対にIntelに勝てず、GPU(Radeon)でもNVIDIA GeForceには勝てないからです。デスクトップ向けプロセッサ単願に賭けて注力したことになります。, 2020年から急に発生したテレワーク特需ではデスクトップ向けプロセッサの需要がほとんど伸びなかったからです。, 2019年にAMD Ryzenはゲーム用途を意識して1コアあたりの性能を引き上げ「ゲーム用途でもRyzenは使える」と喧伝していました。, そんな中で、2020年1月~3月には企業・官公庁の業務において否応なしにテレワークに移行せざるを得ない状況が急に発生しました。, Twitchで配信しているプロゲーマーやストリーマーは今でもIntelプロセッサを使っているくらいですが、「自宅で仕事をするためのPC」になると尚更法人向けで強いIntelプロセッサが採用される事態になってしまいました。法人向けで弱く、業務向けで弱いAMD Ryzenが採用されなかったわけです。, テレワーク用の端末としては、情報セキュリティ上の観点から企業(法人)・官公庁がモバイル端末を調達し従業員・職員に配るパターンが大多数です。デスクトップ端末は大きさと重量の問題から従業員に配る用途では嫌われるため、テレワーク特需ではモバイル端末(ラップトップPC)が好まれます。, また、そのラップトップPCからVPN等で接続するサーバーを稼働させるためのサーバー増強も重視されました。, 結果的に、テレワーク需要ではモバイル向けプロセッサ、サーバー向けプロセッサの需要が大きく伸び、その需要に合致するのがモバイル向けやサーバー向けで強いIntel製プロセッサでした。, デスクトップ向けプロセッサは家電量販店で個人向けPC販売が少し伸びた程度で、テレワーク需要の伸びを享受することができませんでした。, AMDはせっかくデスクトップ向けプロセッサを拡充したのに、テレワーク特需で恩恵を受けたのはモバイル向けとサーバー向けになってしまいました。いつも世の中の潮流と逆の方向へ相場を張ってしまうAMDは本当に巡り合わせが悪いとしか言いようがありません。, Ryzenが叩かれている部分は何かというと、1コアあたり、または1スレッドあたりの性能の低さです。これはコア数を増やすと消費電力が増大してしまうため、動作周波数を下げなければTDPが高止まりしてしまう技術上の問題で仕方のないことです。, しかし1コアあたりの性能が低くなることは、ウェブサイトの閲覧、Word・Excelなどのテキスト作業、会計ソフトの入力のような事務作業用途で圧倒的に不利になります。, Excelは既に入力した数式の再計算処理は自動的に並列化して実行してくれますが、入力操作やグラフの作成時など計算処理以外のシート操作部分ではマルチコアの恩恵を受けることができません。1コアあたりの性能が高いほうが有利です。, またWordはExcelよりもさらにコア数増加のメリットを受けることができず、Word用途においてコア数が多いことはほぼ何もメリットがありません。Wordなら尚更1コアあたりの性能が高いほうが編集時にもたつく時間の短縮に繋がります。, またプログラミング作業用途を考えている場合でもRyzenのような多コアは不利であり、VisualStudioでの作業やビルドやデバッグはIntel Coreのほうが高速です。並列プログラムを作ったあとにそのプログラム自体を実行する段階ならRyzenでも”あり”です。しかしプログラム作成段階では1コアあたりの性能が低いと非常に作業効率が悪くなります。最初から並列化してプログラミングすることはまずなく、まずはシングルスレッドのプログラムを作ってバグを潰してから並列化するという手順を踏むので、趣味でVisualStudioを使って深層学習や金融分析をしているような用途で使う人はIntel Coreの方が作業効率が圧倒的に高いです。, さらにIntelにはMath Kernel Libraryという非常に数値計算精度が高いライブラリを利用できます。数値計算乗の小数誤差を小さくできるのみならず自動的にSIMDを活用し高速化してくれるライブラリです。このMath Kernel Libraryを利用する際の恩恵を受けられるのがIntelプロセッサの非常に大きなメリットです。, SIMD演算命令を活用できる1コアあたりの性能の高さが重要な数値計算・数値解析・科学技術計算といった分野の作業をするのなら、残念ですがRyzenが選択肢として載ることはまずありません。大学や大学院などでアカデミックな分野で使いたい人もIntelにしておいたほうが無難です。つまりRyzenは遊び向けということです。, 2017年に爆発的に大流行したPUBGは「Ryzenに対応していないから遅い」と言われていますが、Ryzenに対応していないというのは「PUBGの実装ではスレッドが並列化されていない」ことを意味します。実はPUBGのようなバトロワゲー以外ならRyzenの性能は悪くありません。, 海外でもRyzenは”gaming cpu”として認識されており、AMDやNVIDIAグラボと組み合わせて使うゲーム用CPUの色がかなり濃いです。Ryzenはそもそもオンボードグラフィックスが内蔵されていません。Ryzenはグラボを別途用意しない限り画面すら映らないため、最初からグラボを買うことを前提としているユーザからすると内蔵グラフィクス非搭載のRyzenのほうがゲーム用を前提としていることでますます”gaming cpu”として扱われています。, オンボードグラフィクスが搭載されていないなんてExcel/Wordをやる事務用PCだったら考えられないことですが、ゲーム用を想定しているRyzenなら「ゲーマーはグラボを別途買うだろうしCPUにわざわざグラフィック機能を乗せる必要はないだろう」ということでRyzenにはオンボードグラフィックスがないのです。このことからもRyzenがゲーマー用CPUだということがわかります。, チップあたりのコア数を増やすマルチコア化が活発化したのは2000年代半ばです。しかしそれ以前でもマルチプロセッサでコア数を増やす手法がありました。コア数を増やしてコンピュータを高速化する手法はMIMD(Multiple Instruction Multiple Data)に分類されます。このMIMDという概念が提唱されたのは1966年と記載されています。こんな大昔から「今流行りのコア数を増やす手法」の原点が提唱されており、コンピュータ・アーキテクチャの教科書の前半部分で必ず載っているお決まりの分類であるほど古典的な手法です。, こんな大昔に提唱された概念がなぜ今流行しているかというと「クロック周波数を引き上げるために電圧を上げると半導体の微細化が進んだことでリーク電流が大幅に増加してしまいこれ以上動作クロックを上昇させるのが難しい」ことで「コア数を増やさざるを得なくなっている」からです。「古典的な(classical)」というのは古いという意味ではなく「昔も現在も普遍的に通用する」という意味なので、そういった意味でMIMDは古典的です。, 現在のCPUのクロックはベース4GHz~最大5GHz程度です。2000年代前半に登場したPentium4でも動作クロック4GHz程度です。それから20年近く経過しているのにもかかわらず、未だに4GHz~5GHzをうろうろしているあたり、動作クロックは年数の経過とともに全く向上していないことがわかります。, できれば動作クロックが6GHz,7GHzと伸びていってシングルコアの性能が年率50%以上で向上し続けるのが理想ですが、動作クロックを引き上げるためには電圧を引き上げることも必要で、電圧を上昇させると半導体の微細化が原因で消費電力が急増してしまいこれ以上動作クロックを引き上げるのが難しくなりました。, 実は2003年まではシングルコアの性能向上が年率平均+52%を記録していました[Hennessy&Patterson, 2017]。これはアーキテクチャの改良による要因が半分、もう半分は半導体の微細化によるクロック周波数向上です。つまりアーキテクチャの改良と半導体の微細化によるクロック周波数向上の両輪によって年平均+52%の性能向上が実現されていました。, 2004年以前までは「Dennardスケール(デナード比例縮小則)」が効いており、「トランジスタを微細化することでトランジスタが高速化するだけでなく消費電力も下がる」という非常に理想的な状況が続いていました[Hennessy&Patterson, 2017]。これは「微細化でトランジスタ数が2倍になってもチップ面積が一定なら消費電力も一定」を意味します。, しかし、この追い風は2004年で終焉します。この頃からプロセッサの性能向上は平均で年率23%程度になります。原因は微細化に伴いリーク電流が増大し、クロック周波数を引き上げるために必要な消費電力(≒単位時間あたりの発熱量)を引き上げることが難しくなったことが一つ。さらに命令レベル並列性を抽出し切ってしまい命令レベル並列処理の性能向上の恩恵を受けづらくなったためです。, そして2011年以降は4コア以上のマルチコア化が普及し、現在のAMD Ryzenのような「コア数のカタログスペックによる見せかけだけの性能競争」の先駆けとなる時期に入りました。しかし、アプリケーション・ソフトウェア内部のスレッドレベル並列性は非常に限られており、コアをいくら増やしてもそれ以上性能が伸びない限界があります。これは理論的に「アムダール(Amdahl)の法則」で知られており、情報処理技術者試験の午前問題で出題されてるくらい初歩的な基礎知識です。アプリケーション内部で50%部分が並列化可能で、残り50%が並列化不可能(逐次実行のみ)だとすると、コア数を100コアと増やしたところで性能向上は高々2倍です。100倍にはなりません。, それどころか、現実のアプリケーションでは10%が並列化可能で、残り90%は逐次実行しかできない(並列化できない)特性を持っています。そうなるとその10%の部分を100コアも使って並列化したところで、シングルコア比でたった+11%しか性能向上しないことになります。, さらに2015年以降は、「チップあたりのトランジスタ数が毎年2倍になる」ムーア(Moore)の法則がほぼ効かなくなったことにより、プロセッサの性能向上は年率平均3.5%まで落ち込みました。チップあたりのトランジスタ数が大幅に増えなくなったということです。, 現在のプロセッサ設計では消費電力(≒単位時間あたりの発熱量)がまず設計の制約条件として先にあります。チップから発生した熱をCPUクーラーに伝える際、「通過する熱量=熱流束(一定)×面積」で求められるので、チップ面積が大きいほど放熱では有利です。そのため、単一チップよりも複数のチップに分割する手法のほうが実装が簡単であり、この手法を採用すること自体がムーアの法則の破綻そのものです。, 2019年7月に発売された第3世代RyzenのRyzen 9 3950X(16コア)とRyzen 9 3900X(12コア)は複数のチップに分割する手法を採用していますが、これこそMooreの法則が真っ先に破綻した例です。, このように、半導体の微細化によるクロック性能向上がほぼゼロになり、アーキテクチャの改良による要因でのみ性能向上せざるを得なくなってきたということです。, アーキテクチャの改良とは、キャッシュの改良や分岐予測精度の向上でパイプラインをスムーズに流すことによるIPC向上、命令レベル並列処理の並列性抽出度を向上させることによるIPC向上と、SIMD演算命令のデータレベル並列処理で浮動小数点演算を高速化することによるFLOPS/cycleの向上です。, このような背景によりクロック周波数の向上に頼らずアーキテクチャの改良のみで性能向上するしかなくなったため、シングルコアの大幅な性能向上は非常に難しくなってきました。, そこで、もしアプリケーションにスレッドレベル並列性が十分に存在するならば、4GHzのコアを2つ用意してアプリケーションを2つに分割して実行すれば擬似的に8GHzのシングルコアと同じ性能を実現できる、という妥協案が採用されました。, 8GHzのクロック周波数を4GHzに下げると電圧は1/2で済むため電流も1/2になり消費電力は1/4になります。消費電力が1/4になったコアが2つということは全体として消費電力は1/2になっています。これが「コアを増やす」手法のメリットです。8GHzのコアを1つ用意するよりも、4GHzのコアを2つ用意するだけで消費電力を1/2にできてしまいます。, 「並列性が十分に存在するアプリケーションなら、コア数を増やして消費電力を下げつつMIMDで高速化しよう」というのがコア数を増やす一つの動機です。, ただ問題なのは、この前提条件である「アプリケーションにスレッドレベル並列性が十分に存在するならば」という部分が重要で、実は世の中のほとんどのアプリケーションはこの前提条件を満たしていません。これが「コア数が2倍3倍になっても性能が2倍3倍にならない」理由です。, 一方でシングルコアの性能が2倍3倍になると「アプリケーションにスレッドレベル並列性が十分に存在するならば」という前提条件を満たしていても満たしていなくてもどちらでも2倍3倍と高速化できるため、できる限りシングルコアの性能(1コアあたりの性能)を向上することが望ましいです。, このような事情から、アーキテクチャ改良で少しずつシングルコア性能を上昇させることを優先しつつ、これ以上大幅なクロック周波数増加が望めないため同時にマルチコア化も組合せてきたのがARM、Intel、Apple製プロセッサです。, Ryzenのようにコア数を増やすことで見かけ上の性能を増やしていくことが2017年から流行しているのは、コア数の増加はカタログスペックでアピールしやすいメリットがあるためです。コンピュータ・アーキテクチャ分野に詳しくない人は「コア数が2倍3倍と増えると性能も2倍3倍になる」と勘違いしてくれるため、Ryzenを買った後で「並列性が高い特殊な用途でないと性能は出ない」と気づいても返品できないことからメーカーのAMD側としてはメリットがあることになります。, 特にCINEBENCHのように実際の用途では現れることのない多数のスレッドを同時に実行し多数のコアを使い切るというかなり特殊な用途ならRyzenは最適です。, 実際の用途ではほとんど登場することのないCINEBENCHで実行される特殊な処理や、動画エンコードをメインでやる人はこのRyzenを選んで間違いありません。並列性を十分に活かせるからです。しかし、Excel・Word・ブラウザでウェブ閲覧(Youtube閲覧)などの一般的で実際的なPC用途のように、1コアあたりの性能が重要である汎用性を重視するならIntel Coreをおすすめします。, Ryzenが実力以上に持て囃されている理由は、Intelの一強独壇場を打ち崩す役割を果たし、高止まりしているCPU価格を引き下げる効果が期待されていることにあります。これは合理的な理由です。, 他には合理的な理由ではなく、感情的な理由で業界第1位より第2位を応援したいという判官びいきもあります。世の中には「1位」「一強」「多数派」を嫌う人達が一定数存在するためです。CPUのシェアは個人向けのゲーム用途でもIntel:AMD=80:20、官公庁や大企業等の法人向けのシェアだとIntel:AMD=100:0になってしまいAMDはCPUの採用数で少数派です。AMD Ryzenは「野党支持者」のような価値観を持つ人達から強く支持されています。, 第3世代RyzenとIntel Coreプロセッサをベンチマーク評価して比較します。, まずは第3世代Ryzenで最も重要なフラッグシップモデル、Ryzen 9 3950XをIntel Coreプロセッサと比較していきます。, 8コアのCore i9 9900Kと比較してみます。Core i9 9900Kのほうが発売日がRyzen 9 3950Xより遥かに前なので、Ryzenにとっては不利にはなりません。むしろRyzen 9 3950Xに下駄履かせしていることになるので第3世代Ryzenにとって有利な条件です。, 結果はこのように+12%もCore i9 9900Kが高性能です。これは近年のプロセッサ性能向上率からすると約1年分にも相当するものです。1年前のCore i9 9900Kと比較したのに、Ryzen 9 3950XよりもCore i9 9900Kのうほうが+12%性能が上だったので、トータルで約2年分、IntelとAMDの間には技術力の開きがあることがわかります。, さて次は、このRyzen 9 3950XはどのくらいのIntel Coreプロセッサとなら互角なのか検証します。結論から言うと、第3世代Ryzen発売と同じ2019年に発売されたCore i3 9350KFとおよそ互角です。, このようにRyzen 9 3950XがCore i3 9350KFにも負けてしまっています。敗因は以下のようになります。, 第3世代Ryzenで採用されたZen2マイクロアーキテクチャはただでさえ1コアあたりの性能が低いです。, にもかかわらず、コア数をむやみに増やしすぎたあまり消費電力(≒単位時間あたりの発熱量)の割当が多数のコアに分散してしまい、1コアあたりの性能がますます疎かになりました。, その結果、並列性が高くないアプリケーション・ソフトウェアが現実問題として世の中の大多数となっている状況においてRyzen 9 3950Xは不利になり、コア数が4コアしかなくても1コアあたりの性能が高いCore i3 9350KFとRyzen 9 3950Xが同程度の性能に留まる結果になってしまっています。, 第3世代Ryzenプロセッサの中でRyzen 9 3950Xに次ぐ位置づけなのがこのRyzen 9 3900Xです。Ryzen 9 3900Xは12コアであり、Ryzen 9 3950Xの16コアよりもコア数が少なくなりますが、1コアあたりの性能は12コアのRyzen 9 3900Xが上です。第3世代Ryzenのマイクロアーキテクチャと半導体集積度の技術力では、12コアを超えるコア数になると消費電力が大きくなり過ぎてしまい、単位時間あたりの発熱量も増加するので逆に1コアあたりの性能が下がる結果になります。, 12コアのRyzen 9 3900Xと8コアのCore i9 9900Kで比較してみます。Ryzen 9 3900Xはグレード900のプロセッサなので、同じグレード900のCore i9 9900Kはカウンタパートです。ただし、Ryzen 9 3900Xが2019年発売なのに対して、Core i9 9900Kは2018年発売なので、発売時期ではCore i9 9900Kのほうが不利です。それでも結果は真逆になってしまいます。, このように+10%もCore i9 9900KがRyzen 9 3900Xに勝ちます。, Core i9 9900Kでは圧勝しすぎてしまったので、互角な勝負になる比較をしてみます。, このようにRyzen 9 3900XとCore i3 9350KFだと互角です。コア数が1/3しかないCore i3 9350KFと互角なのは、第3世代Ryzenで採用されたZen2マイクロアーキテクチャをもってしてもIPCがまだまだ低過ぎるために、Ryzen 9 3900Xの1コアあたりの性能がIntel Coreに遠く及んでいないからです。, 2019年発売第3世代Ryzenの8コアモデルの中では一番高性能なのがこのRyzen 7 3800Xです。, Ryzen 7 3800Xは2019年発売の8コアプロセッサですが、それよりも1年も前に発売された2018年のCore i9 9700K(8コア)と比較してみます。Core i9 9900K相手だとRyzen 7 3800Xが不利になりすぎてしまうので、第3世代Ryzenを不利にしすぎないための配慮です。, このように+12%もCore i7 9700KがRyzen 7 3800Xに勝利しています。, 今度は2019年に発売されたCPU同士で比較してみます。2019年発売といっても3ヶ月以上の発売時期の差があり、Core i3 9350KFのほうが発売が早い(古い)ので、発売時期だけでみると後に発売されたRyzen 7 3800Xが有利になりそうです。, しかし結果はCore i3 9350KFがRyzen 7 3800Xに+1%勝利しています。, 2019年発売第3世代Ryzenの8コアモデルの中で、Ryzen 7 3800Xに次ぐ性能なのがこのRyzen 7 3700Xです。同じ8コアであってもRyzen 7 3800Xよりも性能をわざと落として歩留り(良品率)を改善させ製造原価(コスト)を落とし、Ryzen 7 3800Xよりも安い位置づけにしたのがRyzen 7 3700Xです。, Ryzen 7 3700XといったらまずはCore i7 9700Kとよく比較されます。AMD愛好家にとっては対抗馬のIntel Coreを打ち負かすのが夢であるためです。両方とも8コア同士であり、型番も700であるため共にグレードも同じです。, しかし結果はこのように二桁%の大差を付けられてRyzen 7 3700Xが敗北してしまいます。, Ryzen 7 3700XではCore i7 9700K相手に全く歯が立たなかったので、次はRyzen 7 3700Xといい勝負をするIntel Coreプロセッサと比較してみることにします。2019年初旬に発売された第9世代Intel Core i5 9400と比較します。これでも尚Intel Coreのほうが発売日が先であり、後に発売されたAMD Ryzenに有利な時間的条件です。, Ryzen 7 3700Xのほうが後に発売されながらも、先に発売されたCore i5 9400と互角の性能です。ということは発売時期が後であるという優位性でRyzen 7 3700Xがようやく互角に持っていっただけであり、時間経過による優位分を差し引けばCore i5 9400のほうが高性能だということになってしまいます。, Ryzen 5 3600Xは2019年7月に発売された6コアプロセッサの中では最高峰のモデルでした。その後、Ryzen 5 3600Xの焼き直し版として2020年7月にRyzen 5 3600XTが発売されたため、第3世代Ryzenの中で最速の6コアプロセッサの座はRyzen 5 3600XTに譲っています。, 第3世代Ryzenの6コアの中では最速でも、Intel Coreの6コアと比較するとかなり見劣りがします。, Ryzen 5 3600Xと真っ先に比較されるのがCore i5 9600Kです。型番が両方とも600であり、Ryzen 5 3600XがCore i5 8600Kを意識して投入したことが明白だということと、第3世代Ryzenが発売された2019年より1年も前に発売されたCore i5 9600KのほうがRyzen側にとって勝てる見込みがあり、2020年に発売された第10世代Intel Core i5 10600K相手だとAMD Ryzenにとってデメリットはあってもメリットはないので、2018年発売のCore i5 9600Kとよく比較されます。, それでも結果はCore i5 9600KがRyzen 5 3600Xに対して+11%の性能差を叩き出す結果で終わってしまいます。これがCore i5 10600K相手になるとますます差が広がってしまいます。, 実はRyzen 5 3600Xを打ち負かすには第9世代Intel Coreである必要もなく、さらに1世代前の第8世代Intel Core i5 8500で十分です。, TDP65Wしかない上に発売日が古いCore i5 8500が、TDP95Wで発売日が1年以上新しいRyzen 5 3600Xに対して+3%勝っています。しかもRyzen 5 3600Xのグレードは型番600なのに対し、Core i5 8500は型番500。Ryzenは対等なグレードではなく下位グレードに負けてしまっていることを意味します。, このようにRyzenが全敗しIntel Core全勝の結果になった理由は簡単です。Ryzenの方が1コアあたりの性能が低いからです。RyzenのようにIntel Coreの2倍のコア数である8コア16コアレベルでいくらコア数を増やしても、実行するソフトウェアの並列性がない限りは実効性能を上げることはできません。, これは1964年に世界初のスパコンが出来た時から現在に至るまで、大学の研究者から企業の技術者も頭を悩ませる古典的な問題です。いくら並列実行するためのコア数が増えてもそれを使いこなせるソフトウェアがなければ宝の持ち腐れです。Amazonの和書で「並列処理」のようなキーワードで検索して出版年を遡ってみるととてつもなく古い本が出てきてしまうくらいです。。, 今回のベンチマークが示しているのは結局世の中の大半のソフトウェアは1コアのみで動くようにできているということです。つまりシングルスレッドでプログラミングされていることを意味します。なぜマルチスレッド化して実装されていないかというと、データの依存性で並列化したくても原理的に並列化できないからです。これはAmdahlの法則を知っている人なら理解が早いと思います。コア数をいくら増やしても並列化できない部分は高速化できないため、コア数を2倍3倍と増やしても性能は2倍3倍とスケールせず性能向上は頭打ちになってしまうという法則です。, 一般人の用途で多数のコアを有効活用できるのは動画エンコードくらいです。しかし日頃から動画エンコードしかひたすらやっていない人は極々一握りであり、ほとんどの人はブラウザでウェブサイト閲覧をしていたり、Amazon Prime VideoやYoutubeを観ていたり、レポートを提出するときはWord(一部の学生はTeX)で文書作成をしているわけです。そのような用途では1コアあたりの性能が高いIntel Coreの方が優秀です。, またIntel CoreシリーズからみてRyzenが異様なのはオンボードグラフィックスがないことです。, AMD RyzenではIntel Coreと互角な勝負をするために、本来オンボードグラフィックスを乗せる部分のチップ面積を汎用コアに回しました。オンボードグラフィクスをCPUチップ上に載せないかわりに、その空いた面積を汎用プロセッサに振り分けたわけです。, オンボードグラフィクスをCPUチップ上に搭載してしまうと、その分だけ汎用プロセッサに割り当てる面積が減り、汎用プロセッサの性能を高くできないからです。, 一方で、Intel CoreはこのAMD Ryzenとは全く逆のことをしています。, Intel Coreプロセッサは世代が重なるごとにオンボードグラフィックスのチップ面積を増やし着実に強化しています。IntelとAMDは向いている方向が全く逆です。, なぜIntelは汎用プロセッサ用のチップ面積を減らしてまでオンボードグラフィックス性能を年々上げているかというと、NVIDIA GeForceやAMD Radeonから顧客を奪って、オンボードグラフィックスだけで間に合うようにすることをIntelは狙ってるからです。, 実はIntel Coreプロセッサの汎用4コアの面積が、Intel HD Graphics(オンボードグラフィックス)用のコア面積とほぼ同じということはあまり知られていないようです。, これは第6世代のSkylakeプロセッサのダイです。第7世代のKabylakeもこれと同じ割当です。, 一番左の部分がオンボードグラフィックスです。そして真ん中の4つの青い長方形がある部分がCPUの中枢とも言える汎用4コアプロセッサの部分です。, このようにみると汎用プロセッサとオンボードグラフィックスの面積がほぼ同じだということがわかります。, Intelの場合は以前はオンボードグラフィックスの面積はこんなに大きくなく、Intelはオンボードグラフィクスに力を入れず冷遇していました。気休め程度に「ディスプレイが取り敢えず映りさえすればいい」程度の認識しかIntelにはありませんでした。, しかし、現在のIntel Coreプロセッサではチップ面積の大半をグラフィックのために割いています。, なぜそのようなことをするかと言えば、ゲーム以外の用途として使う人にとっては画面出力のためだけに高価なグラフィックボードはオーバースペックすぎて不要だからです。だからといって、Youtube再生や簡単な3Dグラフの描画程度でもたつくのは困ります。, そこで拡張グラフィックボードがなくても、そこそこのグラフィクス性能を確保するために、最近のIntelはNVIDIA GeForceやAMD Radeon潰しのために、CPU上のオンボードグラフィクスに注力しているわけです。, このように片方の長方形で4コア、もう片方の長方形で4コアで合計8コアにしています。, この図にはグラフィック部分が見当たりません。それは当然であり、Ryzenでは一切グラフィックスを載せていないからです。グラボを別途お買い求めくださいというコンセプトなのがRyzenです。, なぜここまでしてRyzenではオンボードグラフィックスを削ったのかと言えば、それは単なるRyzenのコンセプトだけではありません。, Intel Coreに太刀打ちするために仕方なく、Ryzenではオンボードグラフィックスを削ったのです。, このような事実を認識すると、第3世代Ryzen APUになってもいまだにRyzen APUが4コア止まりである理由がよくわかると思います。Ryzen APUはオンボードグラフィクスを搭載したRyzenシリーズです。APUでないRyzenはコア数が8以上なのにAPUになると第1世代からずっと4コアのままです。だからこそ汎用コア数を増やすためにはオンボードグラフィクスを削らざるを得なかったことを、AMD Ryzenが自ら証明してくれています。, Ryzenは一切オンボードグラフィックスコアをCPU内部に搭載していません。オンボードグラフィクスを搭載しない代わりに、その空いたチップ面積汎用プロセッサ部分に割り当てることによって、AMDは技術力ではIntelに敵わないから汎用コア用のチップ面積を増やすことでなんとかIntelの背中に追いつこうとしているのが今回のRyzenです。, Intelプロセッサではオンボードグラフィックスと、汎用コアで丁度同じくらいの面積を分け合って使っているものの、Ryzenではオンボードグラフィックス用の面積はゼロです。, RyzenではオンボードグラフィクスをCPU上に載せない代わりに4コア8スレッドの汎用コアをもう1セット追加してダイ1枚あたり8コアを実現しなんとかIntel Coreと勝負しようとしたものの、やはりベンチマークでは負けてしまいました。Core i7どころかCore i5にすら負けてしまった形です。, でもAMDの企業規模から言えば一強のIntelに対してそこそこ健闘した方だとは思います。, 第1世代Ryzenが発売された2017年度のAMD売上高は53億2900万ドル、第2世代Ryzenが発売された2018年度のAMD売上高は64億7500万ドルでした。, 一方でIntelはの売上高は2017年度が627億6100万ドル、2018年度が708億4800万ドルです。これは売上高で、純利益だとさらに差は広がって100倍程度Intelが上になってしまいます。このような企業規模の差がありながらもAMDは頑張って努力はしたほうです。, AMDはCPUではIntelに大きく水を開けられていますが、グラフィックボードではそこそこ健闘しています。NVIDIAという巨人がいるものの、グラフィックボードは価格がそもそも高いので稼ぎ頭です。, 例えばRyzenにオンボードグラフィックスを内蔵してしまうと、ゲーマーでない限りはオンボードグラフィックスで十分なのでグラフィックボードを買おうとしません。そうなるとグラフィックボードを売りたいAMDとしては好ましい展開ではありません。, Ryzenはあくまでも汎用プロセッサ。グラフィックプロセッサが欲しいなら別途グラフィックボードを購入する方向に持っていくほうがAMDとしても望ましいということです。, 私は2017年5月15日にスペックがリークされたRyzen Threadripperに注目していました。しかしその少し後に発売されたIntel Skylake-XのCore i9 7920Xに性能価格ともに完敗してしまいました。, それどころかCore i7 7820Xでも十分Ryzen Threadripperに勝ててしまいました。詳細はこちらにまとめていますが、これもまた敗因は1コアあたりの性能の低さです。コア数を愚直に増やしていくだけでは限界があることを示しました。, プロセスの微細化にはメリットとデメリットがあります。本項目で解説する「リーク電流」が顕在化するまでは、プロセスの微細化のデメリットはほとんどなく「低消費電力化」「チップ面積の縮小による歩留まり改善」「スイッチング性能の向上」というメリットだらけであり、デメリットは「配線遅延の悪化」くらいでした。しかしリーク電流の問題化が顕在化してくると、微細化で低消費電力化と面積の縮小は達成できても回路性能の向上は鈍ってきました。, 実際に7nmプロセスを採用したAMD Radeon VII(3840コア)は12nmプロセスのNVIDIA GeForce RTX 2070(2304コア)に大敗しています。, プロセスの微細化の第一のメリットは動作クロックを維持したまま電圧と電流を下げることができることによる低消費電力化です。, AMDにとっても最も関心があるのは「低消費電力化」です。12nmプロセスを採用した第2世代Ryzenの動作クロックを維持したままで、7nmプロセスにするだけで消費電力が下がるからです。, ここで「7nmプロセスにして消費電力が下がって終わり」、だと「とにかく高性能なCPU」を志向する自作PCユーザに魅力的に映りません。そこでこの余裕のできた消費電力を「コア数の増加」または「動作クロックの上昇」に割り当てるのがAMD Ryzenの戦略です。, 第3世代Ryzenでは7nmプロセスに移行してできた消費電力の余裕を「コア数の増加」に割り当てました。そのためコア数が12nmプロセス第2世代Ryzenの8コアから16コアになっているわけです。, しかしその引き換えとして動作クロックの引き上げには失敗しました。つまりベースクロック4GHz台、ブーストクロック5GHzの大台は第3世代Ryzenでは諦めたわけです。これはNVIDIA vs. AMDでも同じで、1コアあたりの性能ではNVIDIAに勝てないということでAMD Radeonではコア数の多さでマウントを取っています。, 実際に2019年5月の第3世代Ryzen発表時に、AMDが自ら「今回の7nmプロセスは以前の12nmプロセスと比較して半導体回路としての性能は上がっていない。しかし消費電力は下がった。性能向上はアーキテクチャの改良で実施した」と表明しています。, さらにもっと重要な事実があります。これは2007年以前からIEEEやACM等のコンピュータ・サイエンス学会論文誌で指摘されていたことですが、「微細化が進むとリーク電流が増加するため動作クロックを引き上げることが難しい」という大きな問題があります。, 半導体というのはゲートの電圧を変化させることで、ドレイン~ソース間の電流のONとOFFのスイッチを実現できる素子です。しかし半導体の微細化が進むと、演算を行っていない(スイッチング動作していない)OFF状態の半導体でも電流が流れてしまう「リーク電流」が急増します。何もしていなくても流れてしまうのでstatic電流ともいいます。, オーバークロックするときになぜ電圧を上昇させるかというと、高い動作クロックの実現のためには高周波成分を減衰させないことが必要であり、高周波成分を減衰させないためには高い電圧が必要だからです。, つまりCPUの動作クロックを上昇させるということは電圧を上昇させることが必ず伴います。しかし微細化が7nmのように進んでくると、高い電圧はリーク電流を急増させてしまいます。微細化が進むということは絶縁性が低くなることを意味するので、絶縁が弱いのに電圧を上昇させてしまうとリーク電流が大きく増えてしまう結果になります。消費電力は電流の大きさの2乗に比例するため消費電力も急増してしまいます。結果的に発熱量が増えて半導体のスイッチング性能が低下します。半導体は回路をON、OFFすることでBool代数論理回路を実装しているわけですが、発熱量が増えるとこのスイッチング性能が悪化します。「冷却ができないと性能が低くなる」ことは多くの人が経験則で知っていると思いますが理論的には以上のように説明できます。, よって7nmプロセスのように微細化が進んだ半導体では動作クロックを上げることが非常に難しく、必然的に「1コアあたりの性能が低いCPU」ができあがってしまいます。, 実際、7nmプロセスを採用したRadeon VIIは12nmプロセスのRadeon RX Vega 64と動作クロックはほぼ同じでした。, プロセスの微細化は半導体の「スイッチング遅延」を短縮し改善する効果はあります。各社も低消費電力化に加えてこのメリットを狙って微細化をしています。しかし「配線遅延」は微細化によりむしろ悪化することが明らかになっています。この両者を足したのが「伝搬遅延」であり(伝搬遅延=スイッチング遅延+配線遅延)、この伝搬遅延を短縮することがプロセッサの高速化に必要です。, 7nmへの微細化による配線遅延の悪化でトータルとしての伝搬遅延が改善しなかったことが、「TSMC7nmで半導体回路自体の性能は上がっていない」とAMDが公式に認めた理由です。つまり微細化のメリットではなくアーキテクチャの改良で性能向上したことになります。, さらにこの微細化によるスイッチング遅延の低下のメリットも、先程の「クロック上昇→電圧上昇→リーク電流増大→高消費電力化→スイッチング性能低下」が発生してしまうと打ち消されてしまいます。第3世代Ryzenで5GHzが達成できなかった理由はこういった事情によるものです。, 7nmや5nmプロセスといった微細化は、動作クロックを上昇させて1コアあたりの性能を向上させる用途では不向きです。微細化されたプロセッサが向くのは、512コアのように非常に多くのコアを用意して各コアの動作周波数を1GHzのように非常に低くするサーバ用途です。またはTDP15W、TDP5Wのような低消費電力を志向するラップトップやスマートフォン等のモバイル向けの用途です。低消費電力こそプロセス微細化のメリットそのものだからです。, よって、消費電力はおかまいなしに絶対性能のみを追求する傾向が強い「自作PCユーザ」からすると、今回の第3世代Ryzenは1コアあたりの性能が大して向上せず、PUBGのような1コアに大きな負担のかかるFPSゲームをプレイするプロゲーマーから再び見向きされないプロセッサになってしまったということです。, 私から見ればRyzenプロセッサは動画エンコードのようなマルチメディア並列処理をひたすら実行する特殊な限られた人向けのCPUです。またPUBG等のFPSゲームを除く、大多数のゲームともRyzenはマッチします。, ウェブサイト閲覧をする、Youtubeを再生する、Excelで簡単な表を作ったりWordでレポートを作成するといった用途ならIntel Coreが優秀です。, また学生等で機械学習を専門にする研究室に配属された場合や機械学習系の科目を履修した場合、または個人で機械学習(世間で言ういわゆるAI、ディープラーニング)をやる場合はIntel Coreがおすすめです。Visual Studioで.NetFrameworkを使ってプログラミングしたりPythonを使う人でもIntel Coreがおすすめです。.NetFrameworkなら自動的にIntel Math Kernel Library(MKL)を使うように中間コードを変換し実行してくれるため数値計算をする人でもIntel Coreがマッチします。当然native C++で書く場合にもIntel Coreのほうが性能が高くなります。, 動画や音楽(ハイレゾのような高サンプリング周波数のデータ)といったマルチメディアデータのエンコード処理をひたすらやるのなら、Intel CoreではなくAMD Ryzenが十分いい選択になると言えます。, ただ動画の編集自体はIntel Coreが優秀です。編集作業では1コアあたりの性能の高さが重要なためです。, Youtuberをやっていて動画のエンコード処理を日常的に行っていたり、録画が趣味の人はRyzenでいいでしょう。, Ryzenがオンボードグラフィクスを削ったことには目を瞑って、Ryzenの1コアあたりの性能がIntel Coreより高ければRyzenにも存在価値はありました。しかし実際はRyzenがIntel Coreに性能でも負けてさらにオンボードグラフィックスが付いていないとなると、合理的判断をするならばIntel Coreを選ばざるを得ません。感情で判官びいきでもしない限りRyzenの選択はありません。, しかしRyzenには「型番のグレードが同じならIntel Coreより安い」といった最終手段のメリットがあります。つまりCore i7 9700KよりRyzen 7 2700Xが安いといったメリットです。「性能は高いけど価格も高いIntel Core」「性能は低いけど価格も安いAMD Ryzen」といった棲み分けは、実はIntelとAMDがRyzen登場以前からずっと実施してきた業界棲み分けの構図と全く一緒です。, 最近AMDは「お金の無い人向けのローエンドのAMD Ryzen」といったイメージを払拭したがっており、Apple社のような高付加価値な企業イメージに塗り替えたいと考えているようですが、実際は今でも「Intelは高くて選べずお金を買う人がない人が選ぶのがAMD」になってしまっているのが現状です。, 今後、Intel CoreプロセッサではRocket Lakeにおいて、Sunny Coveマイクロアーキテクチャの次の世代であるWillow Coveマイクロアーキテクチャが採用されることが確定しています。そしてRocket Lakeプロセッサは第10世代Comet Lakeプロセッサシリーズのラインナップに含まれます。, さらに第11世代Alder LakeではGolden Coveマイクロアーキテクチャが採用されることが既に確定しています。, そしてプロセッサ開発というのはマイクロアーキテクチャの改良と、半導体製造プロセスの改良の両輪で性能向上を実現するものです。, まずは事前知識として以下の記事を読んでおきましょう。東大教授の解説を引用した記事であり極めて理屈的です。学術的なことが論拠になっているので、理屈より感情でAMDを応援したい低学歴なAMD愛好家にとっては非常に読むのが苦痛でしょうが、現実を正しく認識するには良い記事です。, >2019年7月19日の日経新聞の「経済教室」に、東京大学生産技術研究所の平本俊郎教授が執筆した『データ駆動社会の展望(中) 半導体、設計思想の変革を』という解説記事が掲載された。, >東大の平本先生は明快に、「実は7ナノメートルプロセスのチップ上に7ナノメートルサイズの箇所はどこにもない」と書いている。, https://news.livedoor.com/article/detail/17044867/, 先程は微細化のメリットとデメリットについて学術的観点から記載しました。微細化は低消費電力化とスイッチング遅延縮小というメリットがある一方で、リーク電流の増大と配線遅延をむしろ悪化させるデメリットがあるということです。, Ryzenを製造するTSMCは14nmから7nmプロセスに移行するにあたって、単純計算通りの「2倍」の集積度向上しか達成していませんが、Intelの10nmプロセスはアーキテクチャレベルと半導体回路実装(ロジック)レベルを横断的に最適化することで「2.7倍」の集積度向上を達成することになりました。一時期、Intelの10nmプロセスはこの「2.7倍」のハイパースケーリングを達成できないらしいという報道がされていましたが実際は2.7倍のハイパースケーリングを達成できてしまいました。, これはIntel10nmプロセスで製造された集積回路が、台湾TSMCの7nmプロセスで製造された集積回路の1.35倍の集積度を持つということです。しかもこの1.35倍は「14nmプロセスの集積度がIntelと台湾TSMCで同等である」というIntelにとって控えめな前提でも達成できる倍率です。実際は上述したように、14nmプロセスの時点でもIntelのほうが集積度が高いため、1.35倍よりもさらに高い倍率で差がつくことになります。, そしてRyzenを製造する台湾TSMCは5nmプロセスを実現してもそれは7nmプロセスからみて、1.4倍の集積度向上にとどまります。一方でIntelは10nmプロセスから7nmプロセスへの移行において、集積度を2倍向上させます。, これは14nmプロセスを基準にすると、Ryzenを製造する台湾TSMCは5nmプロセスにおいて2倍×1.4倍=2.8倍の集積度向上しか達成できないことになります。, 一方でIntelは14nmプロセスを基準にすると、7nmプロセスにおいて2.7倍×2倍=5.4倍の集積度向上を達成します。, つまり台湾TSMCの5nmプロセスは14nmプロセスの2.8倍の集積度向上にとどまり、Intelの7nmプロセスは14nmプロセスの5.4倍の集積度向上を達成することから、TSMCの5nmプロセスで製造されたRyzenはIntel7nmプロセスで製造されたCoreの1/2の集積度しか持たないということです。これが「5nmプロセスの台湾TSMCと7nmプロセスのIntelを比較すると2倍の差がつく」と言われている理由です。, なぜこのように差がついてしまうかというと、RyzenはAMDでマイクロアーキテクチャレベルの設計をし、実装は台湾TSMCに委託するという「分業」を行っているからです。つまりアーキテクチャレイヤーとロジックレイヤーそれぞれでの局所的最適化しかできないため、14nmから7nmプロセスへの移行でたった2倍の集積度向上しか達成できていません。, 他方Intelではアーキテクチャ設計もロジック実装もIntel一社で実施しているため、複数のレイヤーを横断的に大域的最適化することができます。それが14nmから10nmプロセスへの移行で2.7倍の集積度向上に繋がっています。, ハードウェアとソフトウェアを横断的に最適化して設計する「ハードウェア・ソフトウェア協調設計(Co-Design)」という分野がありますが、Intelが実施しているのはマイクロアーキテクチャと半導体ロジックの協調設計です。, 2019年初頭に発売されるTSMC7nmプロセス採用のRyzen 3000シリーズ、特にその中でもフラッグシップモデルであるRyzen 9 3950Xですら、第10世代Intel Coreどころか第9世代Intel Coreに打ち負かされることが確定しています。急ぎでない場合はより高速な第10世代Intel Core発売を待ったほうがいいでしょう。, 第3世代AMD RyzenではどのようにIPCを向上させたのか理解するためにパイプライン、リザベーションステーション、リオーダバッファ、レジスタリネーミング、分岐予測、キャッシュコヒーレンシあたりの分野が重要です。特にZen2アーキテクチャではパイプラインのストール防止とキャッシュの関連の理解が重要になります。体系的に詳説されている通称ヘネパタで有名な以下の著書がおすすめです。, 翻訳陣が豪華です。監修者はReconfigurable Computingで有名な天野英晴教授であり、実際に翻訳している人達もコンピュータアーキテクチャの専門家で、この分野では有名な坂井修一教授の研究室でPh.Dを取得した准教授が翻訳に携わっています。文系が翻訳してる日経BP出版のパタヘネよりおすすめです。, 慶應義塾の天野研が原著6th edition(2017)の翻訳を進めていると従来からアナウンスしていましたが、ようやく2019年9月に第6版の邦訳書が出版されました。私は1つ前の第5版邦訳書も持っていますが買った当時はAmazon新品でも都内のどの大型書店でも在庫があったにもかかわらず、現在第5版はプレミアムが上乗せされた価格がついて古本市場で取引されてしまっているので第6版をおすすめします。.
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